勤医協歯科

CAD/CAM

歯科技術におけるCAD/CAMとは、口腔内に装着するクラウンやインレーなどの補綴物をCADやCAMのシステムを用いて設計、作製する技術を指します。 従来ほとんど全てを手作業で行ってきた工程にCADやCAMを作組み込むことによって作業の効率化が図られるだけでなく、仕上がり具合のばらつきを防ぎ、さらには今まで利用できなかった素材も使えるようになるなど、技術革新が目覚しい分野です。 CAD/CAMシステムで製作する補綴物として大きく分けて CADCAM冠(保険適用)ジルコニア(自費診療)に分かれます。 勤医協歯科ではCAD/CAMシステムにより、内部で歯科技工士が製作しています。


CADCAM冠(保険適用)

保険の金属を使わない白いかぶせものをCAD/CAM冠(キャドカム冠)と言います。CAD/CAM冠とは、歯の模型をスキャンしたデータをコンピューターに入力し、ハイブリッドセラミックという材料の歯の色に似せたブロックを、機械によって歯の形に削り出したものです。先進医療の為保険適用外であったCAD/CAM冠(キャドカム冠)が保険適用となりました。 CAD/CAM冠(キャドカム冠)が保険適用となったことは患者さんにとって大きなメリットです。

どの歯にもできるの

対象となるのは、前歯から第一大臼歯(前歯から6番目の歯)までの歯です。ただし、第一大臼歯のCAD/CAM冠については、第二大臼歯(前歯から7番目の歯)が4本揃っている必要があります。※金属アレルギーの診断を受けている方は、第二大臼歯が4本揃っていなくても、第一大臼歯、第二大臼歯にCAD/CAM冠を使用できます。
また2022年4月より保険適用の白い被せものCAD/CAM(キャドカム)が詰め物も対応可能となりました。今まではCAD/CAM(キャドカム)冠(クラウン)被せもののみ対応していたのですが、CAD/CAMインレー(部分的な詰め物)もできるようになりました。金属アレルギーのリスクもあるので口腔内はできるだけ銀歯を取り除いてあげることをおすすめしています。見た目の問題で銀歯を減らしたい方にもおすすめです。

CAD/CAM冠のメリット・デメリット

見た目だけで言えば、従来の保険適応の銀歯に比べれば優れています。また、土台をファイバーコアで行えば完全に金属を使わない修復が可能なので、金属アレルギーの方には安心です。
しかし、強度の問題や適合の問題は残ります。よって安易に「保険適応の白い歯」としてどんな方にもお勧めできるものではありません。ただ、被せものとしては強度の問題はかなり改善されていると感じます。気になる方は是非ご相談ください。


ジルコニア(自費診療)

ジルコニアは、二酸化ジルコニウムとも呼ばれ、人工ダイヤモンドともいわれています。
セラミック系素材の中でも圧倒的に丈夫で、身体への影響が少なく、金属アレルギーの心配もないのが特徴です。色も白く審美的なので、天然歯とともに調和のとれた自然な印象を与えます。

(ジルコニアのメリット)
・虫歯の再発防止
・審美性に優れている
・金属アレルギーの心配がない
・強度が高く、割れや欠けがおこりにくい
・前歯・奥歯と幅広い歯科治療に使用可能

(ジルコニアのデメリット)
・自費診療の為、治療費がやや高額となる
・天然歯より硬いため、噛み合わせる歯がすり減る可能性がある

セラミックとジルコニアの違い

従来のセラミック歯には金属に比べて脆く割れやすい欠点がありました。 そのため奥歯の治療や歯ぎしり癖のある患者様にはお勧めする事ができませんでした。
ジルコニアはセラミックの一種であり"ジルコニアセラミック"とも呼ばれていますが、従来のセラミックと大きく異なるのが耐久性です。
ジルコニアは、ダイヤモンドのような輝きだけでなく、金属に匹敵するほどの強度を誇ります。そのため「適応できる歯が多い」ことが従来のセラミックとの大きな違いです。


最後に

ジルコニアによる治療は、自費診療であるため、費用がかかります。満足度の高い仕上がりや、良好な予後のためにも、経験の豊富な歯科医院のもとで治療を行うことが大切です。お気軽にご相談ください。

医療法人 北海道勤労者歯科医療協会